April 01, 2005

今日はエープリルフールだから。

色々と計画してたんですが間に合わなくて辞めました…しょぼり。
あぁ、さて先日書いた日記の件ですが金曜にすることにしました。
ほら、今日はエープリルフールだし。(笑)

我が榊家は何代も続いた貴族である。
昔は富と権力を欲しいままにしていたそうだが私の祖父の代で傾き出し、私が物心着いたころにはすっかり落ちぶれ、先代に当たる父の代で更に拍車をかけるように散財をし、私の代になる頃には取り返しの着かないトコロまで落ちてしまった。
そんな大馬鹿野郎の先代はやっと3年前に亡くなってくれ、私は細々としっかり置き土産していった先代の尻拭いをしつつ、すっかり古ぼけた屋敷を母と妹と共に守りながら慎ましく日々を過ごしていた。
そんな折、たびたび母や妹の様子を見に来てくれる母方の伯父が
「お前も もう良い歳なのだから華遊びの一つや二つ出来なくてどうする、お前の父君はお前と同じ歳の頃はよく遊びに行っていたぞ。」
お前はどうも固すぎてイカンと母のしかめ面も気にせずに私を無理矢理に街一番の華楼街へと連れて行った。

『華楼街』。
そこは美しい『華』達が艶めかしく競い咲き、賑やかな不夜城。
私とて全く女遊びをしたことが無いわけでもなく、何度かは学生時代に友人達と華楼街に繰り出したこともあった。しかし、父が晩年、華楼街に入り浸り、危うく名家を潰しそうになった事が原因で私にとって華楼街は鬼門となっていた。
そんな事を知らない伯父でも無いと思うが、たまには息抜きをさせてやろうという伯父の配慮だろうと推察し、大人しく着いて来たが、どうやら伯父には贔屓にしている『華』が居るようである。
まるで迷路のような華楼街を迷いの無い足取りで歩く伯父の後ろを慌てて追いかけ、着いたのは一番奥まったトコロにある『華幻楼』と言う華楼だった。
他の華楼に比べ、一見地味には見えるが落ち着いた中に他にも負けない様な高級感が溢れる店構えで朱の格子から見舞える『華』達は皆、飛び抜けて美しく、私は久しぶりの華楼街の所為不覚にも少々気後れをした。

「そう固くなるで無いよ、お前になら『華』達もこぞって手折って暮れと言ってくるであろうよ。」
店に入るとすぐに豪奢なサロンに通されて少々落ち着かない気持ちの私に対して伯父は緊張をほぐしてやろうとしているのか何かと声をかけてきて五月蝿い。
「お前には此処のNo1の『胡蝶』を特別にお願いしておいたからな。充分に愉しめよ。」
滅多に表に出ない『胡蝶』を『特別』に『お願い』してくれたらしい。勿論、伯父持ちである。
「まぁ!羽宮様、本日はなんとまぁ色男をお連れですの?」
そうこうしているうちに『華』が来たようだ。
Posted by earth-leaf at 11:07 P | from category: Novels | TrackBacks
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